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総合最大需要電力は断続運転負荷のうち同時に運転される可能性のある負荷の各需要電力の和であり、各断続運転負荷の最大需要電力の和は断続運転負荷の合計電力であるから不等率は1より大であるのが通例である。従って、前式のXΣPIは断続運転負荷のうち同時に運転されることが予想される負荷の需要電力の和(断続運転負荷需要電力)となる。
例えば、表1貨物船の電力調査表(例)において航海中の断続運転負荷需要電力XΣPIは48.0KWである。
不等率の決定には船舶の運転状況を正確に把握しなければならないが、XΣPIの代わりに断続運転負荷のうち最大出力の電動機及びこれと同時に運転されることが予想される負荷を加算する方が妥当な場合が多い。
不等率は本来船の種類、運転状態、構成等によって異なってくるものであるが、概数的に算定する場合は一般に2〜3であるとみなされている。

 

需要率
負荷の需要電力は、その機器の種類及び使用方法などによって決まり、各々の負荷電力の算定には一般に需要率が考慮される。需要率は、その設備の使用状態における最大需要電力と定格出力に対する入力の割合をいい、次によってあらわされる。

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需要電力は定格出力に対する入力より小さいことが多いが、これは電動機のように余裕をみて容量を選定しているのが通例であり、また、全負荷に近い状態で使われているものばかりでなく、軽負荷の状態で使われているものもあることが多いからである。
需要率は船の運転状態によって異なるが、一般に次の値が採用されている。
一般補機など60〜95%
操舵機20〜30%
電熱器50〜100%
一般電灯
航海中70〜80%
作業中60〜70%
停泊中50〜60%
投光器など100%
電力調査表は、前記のように船舶の運航状態ごとに各負荷の所要電力(入力)を算定し、これに需要率、不等率を考慮して作成される。表1に貨物船の電力調査表の例を示す。

 

 

 

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